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生田斗真主演、グレン・ウォルフォード演出の
シェイクスピア喜劇を観に行きました。
今年の夏ドラマ「花ざかりの君たちへ」の中津秀一役を
絶妙な表現力で魅せて、見事大ブレイクを果たした生田くん。
その的確な演技力は、彼の豊富な舞台経験から来たものだ
と言われてますが、そうきたらそりゃ舞台観たくなりますよ。
ナマ生田くん観たいですよ。
でもチケット全然ありませんでした。
いまじゃ芸能番組や雑誌の特集やらランキングやらで
顔を見ない週はないぐらいの人気者だからね。
…苦労しました…(泣)。
さて、いわゆるジャニーズの人が主演の舞台を観るのは
これで3回目くらいですが、宝塚や四季と比べると
どうしてもまだまだ不慣れでアウェイな気持ちになってしまいます。
そんな中、劇場入り口でカッシーのファンクラブ受付を発見。
一気にホームな空気に包まれホッとしました。
カッシーとは、この舞台で二番手役を務めている
柏原収史くんのことではなく、元ジェンヌの貴城けいさんのことです。
でも紛らわしいのでカシちゃんとしておこう。
カシちゃんは、その美貌と確かな演技力が魅力の元宙組のトップ男役で
同期には映画「武士の一分」でヒロインを演じた檀れいさんなんかがいます。
今回のカシちゃんの役は、ヒロインの母親・公爵夫人役でした。
カシちゃんの舞台は、雪組「ベルばら」のジェローデル役以来なので
結局トップになったカシちゃんを観ずじまいか…。
なんだか今更ながら観ておくべきだった…と後悔。
宝塚といえば、宝塚でも「ヴェローナの二紳士」が取り上げられたことがあり
1999年の「バウ・ホールでシェイクスピア劇を上演しよう年間」に上演されました。
正塚晴彦氏によって演出された、宝塚版「ヴェローナの二紳士」は
タイトルを「SAY IT AGAIN」とし、原作とはかなり違い
物語の舞台を20世紀初頭のニューオーリンズにして
主役の二紳士は、結婚詐欺師という設定でした。
面白くて好きな舞台でした。正塚演出だしね。
プロテウス役のコムちゃん(朝海)がワルで格好良かったな〜。
そのときの配役に当てはめてみると、
ヴァレンタイン(生田斗真)→ピエール・ヴァレンタイン(成瀬こうき)
プロテュース(柏原収史)→ビンス・プロテウス(朝海ひかる)
シルヴィア(西原亜希)→シェリル・リード(貴咲美里)
ジュリア(垣内彩未)→ジュリー・ヴァレンタイン(紺野まひる)
こんな風になります。
↓「SAY IT AGAIN」と「ヴェローナの二紳士」のプログラム

まひるちゃんは「花ざかりの君たちへ」に
出てたから、共演者の生田くんが「ヴェローナの二紳士」に出ると知って
「SAY IT AGAIN」のことを思い出したりしたかな…。
以下ネタばれ。
話をもとにもどして…
[ヴェローナの二紳士 あらすじ]
舞台は中世イタリアのヴェローナ
冒頭からヴァレンタイン(生田)とプロテュース(柏原)の
若さと躍動感にあふれた立ち回りから始まります。
プロテュースの方は、激しい恋に胸を痛め
もう一方のヴァレンタインは、功名心に胸を膨らませており
2人は固い友情で結ばれています。
ヴァレンタインは、身も心も恋振り回されている友を
すこしもどかしく思いつつ、新しい場所で
運だめしをしようとミラノへ旅立ってゆきます。
そして彼はそこで図らずも
ミラノの公爵令嬢シルヴィア(西原)と
激しい恋に落ちてしまったのでした。
一方、プロテュースの方は、
恋人ジュリア(垣内)と密かに婚約し
有頂天になっていましたが、父親の命令で
図らずも親友ヴァレンタインのいるミラノへ
武者修行にやられることになってしまったのでした。
しかし、嫌々ながらミラノへやってきたプロテュースは、
美しい公爵令嬢に会ったとたん恋人ジュリアの存在を忘れ、
親友ヴァレンタインとの友情も脇へやり
彼女に一目惚れしてしまったのでした。
友情を捨て、恋を取ったプロテュースは
シルヴィアと駆け落ちしようとするヴァレンタインを出し抜き
彼女を自分のものにしようと画策を始めます。
その頃、ヴェローナで恋人の帰りを待つジュリアは
プロテュースに会うために男装してミラノに現れ
誰にもばれずにプロテュースの召使いに雇われるのでした。
プロテュースの密告で、シルヴィアとの仲を裂かれた
ヴァレンタインは、公爵夫人(貴城)の怒りを買い
ミラノを追放になってしまいます。
しかし、彼は旅の途中で出くわした盗賊たちの心を掴み
森の義賊の首領として、新たな新天地を築くことになるのでした。
その頃、愛するヴァレンタインを失ったシルヴィアは
言い寄るプロテュースには目もくれず
愛するヴァレンタインに逢うために
修道女に変装して単身ヴェローナを目指します。
しかし森の中で盗賊に出くわし
更に追いかけてきたプロテュースに捕まってしまいます。
絶体絶命かと思われたとき、盗賊の首領
すなわちヴァレンタインが登場しシルヴィアを救い出します。
友の裏切りをなじるヴァレンタインですが
彼が心から自分を恥じ反省している様子を見て
恋よりも友情を取ることを選びます。
「親友のためにシルヴィアを諦めよう」
と彼が口にしたその時
プロテュースの召使いが悲鳴を上げて倒れます。
それは男装したジュリアでした。
ジュリアのいじらしくひたむきな姿を見たプロテュースは
再びジュリアへの愛に目覚めます。
そこへ公爵夫人が現れ、
シルヴィアとヴァレンタインの結婚が正式に許される運びとなり
ヴァレンタインとシルヴィア、プロテュースとジュリア
の二つのカップルが成立し、物語は大団円を迎えるのでした。
恋に落ちた若者たちのてんやわんやの物語
異なる持ち味を持つ青年2人が
恋と友情の挾間で、なにを悩みなにを選ぶか
…といったおはなしでした。
「シェクスピアとはいっても喜劇だから親しみやすいですよ」
といろんなところで口にしている生田くんですが
やはりいわゆるシェイクスピアっぽい
例え的な言い回しを使った長い台詞なんかは登場します。
そういうところは、よっぽどテンポ良く体全体を使って
うまく表現しないと、観てる人は
耳から耳へと流れ出てしまうのですが
生田くんはさすが主役を張るだけあって
台詞回しと身のこなしがうまく調和してて
客席からは自然と笑い声が湧いていました。
シルヴィアと駆け落ちしようと出掛けたところを
公爵夫人に見つかりカマをかけられる場面で
コートの下に隠した縄バシゴのことを
自分から話してしまうお人好しでウッカリなお芝居とか
自分を襲おうとした盗賊たちに「友よ!」と語りかけ
フランス語や武術を披露して、見事に彼らの心を掴んでしまう件など
自然とお芝居に引き込まれ、自分の世界を作っていたと思います。
わたしが観たのは、大阪公演の初日ですが
舞台のクライマックスで、ヴァレンタインが
プロテュースの裏切りを激しく責める場面があるのですが
その緊迫したシーンで、なんと
ヴァレンタインの手にした衣装が
ジルヴィアの着ていた衣装に
絡まって取れなくなってしまったんです。
シリアスな場面なのですが
その小さなアクシデントで、客席からは
「わぁ〜(笑)」と笑いが起きてしまいました。
客席のほとんどは、トーマくん見たさに劇場に詰めかけた
箸が転んでも笑ってしまうような年頃のお嬢さんたちですよ。
トーマくんの一挙一動、可能ならば心臓の音まで
聞きたいぐらいの気迫で見守りつつも
一気に笑いの方向にブレてしまった客席…。
どうなるんだろうと思った次の瞬間
生田くんは顔色1つ変えずに、大きな身振りで
衣装を思い切りグイっと引き離し
結局その動作によって、客席が一気に
また生田くんのシリアス芝居に引き戻されていました。
鮮やかだ…そうか、これが舞台経験豊富のなせるわざなのか…
この舞台観に行った意義があったと思ったひとときでした。
生田くん以外では、ヴァレンタインの召使い
スピード役の木下政治さんの台詞回しが軽妙で耳に心地よかったです。
盗賊の人たちのアンサンブルも面白かったです。
しかしはっきり言って、この舞台が喜劇だと思ったのは
生田くんとこういった脇の芸達者の人たちが
一緒に演技しているシーンのみでした。
こう書くととても生意気な言い方になってしまうけれど
ほかのメインキャストの人たちは舞台経験がなさすぎ
はっきり台詞を言ってそれらしく演技するだけで精一杯で
客席の心を掴んで笑わせるという
域までには達していなかったと思います。
柏原くんなんて、ドラマで観ると
なかなか素敵な人だと思うけど
このプロテュース役に限っては、
役の魅力がさっぱり伝わりませんでした。
そもそも台詞の区切りやテンポもイマイチでした。
プロテュース役は、主役のヴァレンタイン役と対を成すような
もっといえば物語を引っ張るもう一人の主役
といってもいいぐらいの重要な役です。
この役に説得力がなければ
なぜヴァレンタインが、裏切りを許し
自分の恋を捨てるほどの熱い友情を捧げたのか分からないし
なぜジュリアが、故郷を捨て女を捨て哀しみを乗り越えて
恋人を信じ愛し続けるのかも分からなくなってしまいます。
そうなってくるとお芝居全体がもう訳が分からなくなってしまいます。
初舞台の柏原くんがまだまだ経験不足
ということが第一でしょうが、演出的にも
この役を女ったらしでずるいんだけど、なぜか憎めない男にしたいのか
純粋ゆえに突っ走り、人を傷つけてしまう根はいい男にしたいのか
どっちなんでしょうか。見た目は前者のように見えるけど
プログラムを読むと後者の役作りが正解のように見えます。
でも観てみるとどっちにも見えない、なんか中途半端で分からない役でした。
分からないと言えば、
プロテュースの召使いで道化役のラーンスの存在意義も分かりません。
常にイヌを連れて出てきて、そこそこ客席の笑いを買っていましたが
あれは本物のイヌが出てきたことと
イヌの素の行動に対して笑っているだけで
ラーンスの演技に笑っているわけではないと思います。
演りようによっては美味しい役だと思うのに
旬を過ぎた芸人の寒いギャグを観ているみたいに苦痛でした。
公爵夫人のカシちゃんは、やはり華やかだし
迫力があり時にユーモラスでうまかったけど、
宝塚男役としての台詞回しのクセが残っているという部分で
まだまだ違和感があったのではと思います。
(わたし的には見慣れているのでそれほどは気にならないんだけど)
シルヴィアの西原亜希ちゃんは
令嬢らしく堂々としてましたが
ドラマで観るときの魅力に比べると
舞台はまだもの足りなさを感じました。
ジュリアの垣内彩未ちゃんは
ものすごく上手とまでは感じませんでしたが
とてもキュートでメインキャストの中では
生き生きとしたキャラクターを印象づけていたと思います。
全体的には、こんなに苦労してチケット取ったのに
なんだかなぁ…と思わせる舞台でちょっと残念でした。
でもまあ生田くんの生の芝居をこの目で
観ることが目的だったからいいか…と思いつつ
しかしこれは、生田くんの魅力だけで足りる
コンサートでもないしディナーショーでもない
アンサンブルで魅せるお芝居なんだから、
回りを固める人たちのレベルが一定でないと
主役がどんなに素敵でも補いきれないものがあるぞ
と思ってしまったりもします。
演出も有名な人みたいですが、良さが分かりませんでした。
次に舞台に立つことがあれば
蜷川幸雄とか三谷幸喜とかの演出で
小栗旬くんとか藤原竜也くんとか
松たか子さんとか、鈴木京香さんとか
戸田恵子さんとかとお芝居してほしいな
…なんてことになったら今以上にチケット入手困難ですが。
生田くんのプログによると
先日、彩の国さいたまの劇場で「カリギュラ」の
稽古をしている小栗旬くんと一緒に
蜷川演出の「オセロー」を観に行ってとても感動し
その後の飲み会で小栗くんや勝地涼くんと
いろいろ語り合ったとのことなので
いつか彼らでなんかやることにならないかなと淡い期待を寄せています。
ずっと先の、それこそ30代40代になってもいいから実現してほしいです。
あ、その前にまず「小栗旬と生田斗真のオールナイトニッポン」を
再び実現してほしいです。出来れば年内に。
あの2人が揃ったオールナイトニッポンのテンションは
ちょっとクセになるぐらい面白いです。
